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setohの色々殴り書き

詳解DroidKaigiの発表準備裏側

発表準備の詳しい話をあんまり聞かない気がするので書きます。
何かの参考になれば。

準備工数

多分100~150時間くらいだと思います。

FrameLayout、LinearLayout、RelativeLayoutの内部実装読むのに10時間くらい、
ConstraintLayoutの内部実装読むのに50時間+αくらい、
スライド+原稿作成に20時間くらい、
発表練習+修正に30時間くらいでしょうか。

多分全発表者の中でもトップクラスに時間がかかってると思います。愛です。ConstraintLayoutが想像の110倍くらい複雑だったのでしょうがないです。
他の人がどのくらいの時間かけて準備したか知りたいですね。

11月中は休日と平日の帰宅後を費やして、12月と1月は休日だけ作業しました。
独身貴族で暇なのでこのくらいの時間が確保できます。
暇とはいいつつも今会社で新規案件をやっていて、アプリエンジニアとアプリデザイナーを兼任していて、ちょうど今が山場なのでさすがにしんどかったです。

11月12月で事前調査をして、
12月半ばくらいからスライドを作り始めて、
年末年始に発表原稿を書いて、
1月は練習しつつ修正という感じでした。
1月半ばに社内向けの壁打ちをやったので、その頃にはほぼほぼ資料完成してました。

発表原稿

本邦初公開、こんな感じです

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発表中は多分文章が目に入ってこなくなると思ったので、重要なところを太字で書くようにしました。
これはとても良いです。オススメです。
抑揚をつけてしゃべることを意識しているので、そのあたりにも役立ちました。

僕は実際にしゃべる言葉で発表原稿を書く派です。
「完全に理解しましたね?ふぅーん..はぁ..」とかも全部書いてます。

発表で意識したこと

とにかく、多くの情報を与えることを意識しました。

今回のセッションは理解を深めるものでなく、知らないことを知るものだったと思っています。
なので、聴衆に情報を投げまくって、少しでも新しいことを知ってもらえたらなという考えです。取捨選択はそちらでしてねと思ってました。

人間は2倍速再生くらいの映画を認識できるとどこかで聞いたことがあります。(ソースが思い出せませんが)
なので、めちゃくちゃな早口であっても認識してもらえるだろうと思い、あのプレゼンスタイルになりました。

去年の発表は50分でスライド50枚くらいでしたが、今年は30分で90枚くらいです。
発表する内容によって発表方式を変えます。

発表を失敗しないために

どうしたら発表で失敗しないか。
発表で失敗する可能性がある項目を減らせばいいんです。

発表原稿を書いていないとアドリブでしゃべることになり、発表内容がぶれる可能性があります。
発表中にパニックになれば言葉が出てこなくなる可能性があります。
これらは失敗のリスクになります。
なので発表原稿を書きました。しゃべる文章で書いていているのもそのためです。

発表時間をオーバーするリスクもあります。
恐らく多くの発表は一番最後に重要なメッセージを言うので、そこを時間制限で切られるのは痛手です。
僕は各章ごとに時間を計測して、発表が想定よりも早い/遅いというのをわかるようにしていました。
時間が余ったら言う内容、時間が足りなかったら省く内容を決めていました。
ここまでやっておけば当日アドリブで余計なことを言わない限り、よほどのトラブルがない限り時間オーバーしないと思います。
発表の再現性を高めることも大事です。

発表内容がつまらなくて失敗するということもあります。
僕は聞きに来てくれそうな人に「何を期待しているか、何が聞きたいか」ということを結構質問しました。
コアユーザーにヒアリングをするのは仕事でも同じだと思います。

資料の事前公開

資料の事前公開も失敗を減らす手段のひとつです。
聴衆の人は思ったよりもセッションの詳細を読んでくれません。
こちらが発表する内容と聴衆が期待している内容が異なると「発表がつまらなかった」と言われる可能性があります。
時間をかけて準備したプレゼンに対して、本筋でない部分で批判をされる。これは最悪です。

そのリスクを減らすために資料を事前公開しました。
考えてみれば、資料がほぼ完成しているのに当日まで公開しない意味は特にないと思います。サプライズ感くらいでしょうか。

感謝

資料の事前公開ですが、僕の見た範囲だと前日の時点で10人以上の方が行ってくれたように思います。
まさか賛同していただける方がいるとは思っておらず、とても驚きました。
白山さんやこにふぁーさんや日高さんに取り上げていただいたことも大きかったと思います。
ありがとうございました。

謝罪

ただし、資料の公開についてはやり方が良くなかったと反省しています。
「資料公開しようと思っている」ツイートに想定以上の反響があり、かなり拡散していただけました。
結果として資料が完成していない発表者の方にプレッシャーをかけてしまったように思います。
ただでさえ資料作りは大変なのに、余計なプレッシャーを与えてしまったことには大変申し訳なく思っています。
ユーザーの気持ちを考える仕事をしているにも関わらず、ツイートを読んだ人の気持ちを考えられなかったことは恥です。

もう少し、何かうまい方法を考えたいと思います。

準備姿勢

準備時間が3ヶ月あり長丁場なので「気持ちが折れないように」という点を意識しました。
去年の準備は断酒をしたり飯食わなかったりと滅茶苦茶ストイックにやったんですが、体調崩したり気持ちが折れかけたりと後半に息切れ感がありました。
そもそも断酒と発表成果に関連性はあるんだっけ?無駄じゃない?と思ってやめました。

僕は訓練された人間なので、酒を飲みながら資料作ったりConstraintLayoutのコード読んだりしてました。できます。
発表原稿はだいたい年末年始に酒飲みながら書いたものです。Powered by 日本酒です。
おかげで去年よりも楽しく準備ができたと思います。

何が本当に必要なことがを考えましょう。仕事と一緒ですね。

来年に向けた改善点

・効率的に調査・資料作成できるようになりたい
・スライドの見た目をもう少し改善したい
 ・でもあまり本質でない気がする
・体重を維持する手段を考える
・健康を維持する手段を考える
・睡眠時間を維持する手段を考える